果実 fruity flavor 2005 1 30

 私は、2003年に、「アナウンサー」という記事を書きました(下記の記事を参照)。
これは、政治家にとって、厳しい内容でしたが、
政治家を愛する故に、あえて、書いたわけです。
 今までの政治家は、
「政局はわかるが、政策はわからない」という政治家が多かったのです。
だから、現実には、実質的に、官僚主導の政治でした。
 しかし、これからの日本は、これではダメです。
政治家主導の政治が必要なのです。
「政局はわからなくても、政策は詳しい」という政治家が必要なのです。
そういう意味を込めて、「アナウンサー」という記事を書いたのです。
 しかし、実った果実は、残念なものになりました。
結果は、政治家の言葉が乱暴になってしまいました。
あるいは、政治家の言葉が、「開き直り」とも思える場面が多くなってしまいました。
 誠に、悲しいことですが、
こうなってしまっては、従来どおり、政治家の「答弁やコメント」を、
官僚が作った方が、まだ、ましです。
 政治家の言葉が乱暴であることは、国民に深刻な影響を与えるのです。
国民というものは、政治家を見ていないようで、
実は、政治家を、よく観察していて、
政治家による影響を受けてしまうし、
政治家の真似をしてしまうのです。
 こうした悪影響がありますので、
「可もなく不可もなし」と言われるでしょうが、
従来どおり、政治家の「答弁やコメント」を、官僚が書くべきだと思います。
 もちろん、「政策がわかる政治家」を育てていく必要があります。
政策がわかるようになるまでには、10年はかかると思います。
若い政治家に期待したいと思います。

アナウンサー announcer 2003 9 19
 アナウンサーとは、用意された原稿を読む人のことです。
しかし、日本の大臣も、アナウンサーです。
 まず、大臣就任あいさつ。
これは、実は、ある程度、官僚が事前に作成して用意してあります。
もちろん、能力がある人は、
官僚が用意した「大臣就任あいさつ」は、必要ありません。
 次に、大臣の「談話」や「コメント」も、基本的に、官僚が作成しています。
 さらに、国会答弁。
これも、官僚が、事前に答弁書を作成して、用意してあります。
 なぜ、事前に答弁書が作れるかというと、
国会での質問者は、何日も前から、事前にわかっているのです。
 だから、若手官僚が、質問する予定の議員のところへ行って、
事前に質問内容を聞いてくるのです。
 ここは、野党議員も、癒着していますので、
質問内容を、事前に官僚に教えてくれます。
 そこで、教えてもらった質問内容を、官僚は省内に持ち帰って、
答弁書を作成するのです。
 詳しくは知りませんが、
課長補佐あたりが、答弁書の原案を書いて、課長と協議して、
最終的には、局長に目を通してもらうのかもしれません。
そして、答弁書が完成したら、大臣に手渡すというシステムです。
 何日か後の国会で、予定された質問を、
野党議員が、予定どおり行い、
大臣は、事前に用意された答弁書を読むという「芝居」です。
 大臣、官僚、野党議員と長年に渡る「癒着構造」です。
たまに、意地悪な野党議員がいて、
事前に教えた質問とは違う質問をする時があります。
こういう時は、大臣は立ち往生して、
後ろに控えている局長に助けを求めるのです。
 また、何かの建物の完成記念式典で、
大臣が、よくあいさつしますが、
この「あいさつ文」も、官僚が事前に作成したものです。
 極端な話、誰でも、大臣はできます。
サラリーマンでも、自営業者でもできます。
実は、同じ構造が、地方議会でもあります。



































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